ZUNTATAメンバーズコラム vol.2

メイキング・オブ「オトdePON」 - 大隅 剛史 (サウンドプログラマ)

オトdePONはプログラマが1つ1つ丹誠込めて作っています。


オトdePONのイメージ。画面は「魔法使い編」。ちなみに、この携帯のイラストも大隅が作った。

みなさん、もう「オトdePON」(※1)で遊んで頂けましたでしょうか?
まだの方は是非ケータイでアクセスしてみてください。

(※1)「オトdePON」・・・音声ボイスや効果音を、携帯電話の数字キー(1~9)を押すだけで鳴らすことができるFlash(R)コンテンツ。「iモード(R)」「EZweb」「Yahoo!ケータイ」の 3キャリアにて展開中。

というわけで、オトdePONのプログラムを担当した大隅です。
ホントは僕がコラムを書くのはもう少し先になるはずだったんですが、
「ちょうどオトdePONがリリースになったし、書かない?」
「そうだね、ちょうどいい。じゃよろしく」
「えー、あの、ちょっとー?」
というわけで急遽僕が書くことになりました。
実はリリース直前までオトdePONを作っていたんで、まさにリアルタイム。

制作進行の人(以下「制作」) 「隠しボイスが止まらないんですけど」
大隅 「うわホントだ! ・・・・直しました!」
制作 「分かりましたチェックしま・・・」
大隅 「うおー、別のバグ出た! ちょっと待ってください」
制作 「おす」
大隅 「今度こそ直しました(と思う)!」
制作 「おー、直ってます! じゃあこれで完パケで!」
大隅 「お疲れっした!」

・・・ってな具合で。

1つ1つ丹誠込め(以下略)

オトdePONはその名の通り“音”で遊ぶコンテンツです。
「モスキート編」を6月から先行配信していますが、プロトタイプとなるアプリは実は1年ぐらい前に作っていて、紆余曲折を経て今に至ります。
オトdePONのプロジェクトでは、サウンド素材とグラフィック素材をFlashでまとめてアプリに仕上げるのが僕の仕事です。

オトdePONには基本となるデザインが4種類(ピンク、オレンジ、緑、青)用意されていて、その中からネタのイメージに合ったものを選び、背景もそれに合ったものを用意します。
背景もデザイナーさんがいくつか作ってくれていますが、必要であれば自分で作ることもあります。
さらに、効果音の内容やサブタイトル(○○編)の文字を大きくできる場合は大きくし、なるべく滲まないように微調整しています。
後は、1つ1つの音の長さに合わせて演出時間を調節したり、“隠しボイス”を仕込んだり(ここが一番楽しい)。


4色の基本デザインに、さらに「ボタンタイプ」と「箇条書きタイプ」がある。

いつの時代も容量との戦い

こういうネタごとの作業は手間がかかっても別に苦ではないんですが、苦労したのは容量の調整です。
オトdePONは“音”で遊ぶコンテンツなので、容量配分は当然サウンド部分に大きく取ってあります。
グラフィックにはサウンドの半分くらいしか充てていません。
とはいえ、画面がショボくていいかというと、そんなわけはないので、グラフィックの方も画質を調節して容量の許す限り詰め込んでいます。


「ヤンキー関西編」。容量余ったと思って背景に凝ったら容量制限突破。

ちなみに、Flashのサイズ上限はほとんどの機種で100KBなので、オトdePONもすべて100KBを上限としているんですが、ボイス系のネタを中心に80KBを超えるものがかなりあります。
一番大きいのは「ヤンキー関西編」のドコモNシリーズ用で99.9KBでした。

こんな感じで、プログラマだけでも苦労話はたくさんありますし、 次回以降のコラムでサウンド素材制作の石川さんや小塩氏からも苦労話が出るのではないかと思いますが、その分おもしろいコンテンツになったと思います。
最後の最後で隠しボイスの仕込みが危うく間に合わないところでしたが、ギリギリで間に合って良かった!(全然反省してない)
隠しボイスの中にさらに隠し要素が入ってるネタもあるので、是非探してみてください。

あ、それと各携帯サイトではリクエストも募集しています。
「こういうのが欲しい!」
「あれのバリエーション増やして!」
などなど、どんどんご応募ください!

Profile

大隅 剛史 (Tsuyoshi OSUMI)

著者影絵

サウンドプログラマ
日々のサウンド制作に加えて、波形編集ツールなどの音に関わるプログラミングを始め、CGI などのWebプログラミング、Javaプログラミング、Flashスクリプティング、果ては画像編集まで一通りこなす。 たまに絵師としての才能が発揮される事も。
ダライアスの3画面筐体を知らなかった若人その1。