バブルボブルWiiのサウンドについて
あのバブルボブルのサウンドが完全リニューアル!
現在Wii Wareで大好評配信中の「バブルボブルWii」。
今回のためにリニューアルされたサウンドでは、タイトーサウンドチームZUNTATAのばびーディレクションの元、個性派コンポーザーとして名高い渡部恭久氏がBGMのアレンジ・作曲を担当!
"懐かしいのに、新しい" Newバブルボブルサウンドの「ツクリカタ」が対談を通して明らかになる!?
サウンドクリエイター 対談
今回は のほほんと
ばびー「バブルボブルWii サウンドのツクリカタ」ということで、このゲームのサウンドディレクターである僕(ばびー)とコンポーザーの渡部さんとで語り合ってみようという企画なんですが。こんにちは!
渡部こんにちわ
ばびー (笑)今回このゲームの音楽を担当してみていかがでしたか。
渡部 うーん。今回はばびーのディレクションの元に素直にやってみたって感じかなあ。
ばびー 考えてみたら渡部さんと組んで仕事するのってすごく久しぶりじゃないですか?いつ以来でしたっけ。
渡部 なんかえらい久々だと思うけど。10年ぶりくらい?
ばびー でも実は僕がディレクションして、渡部さんが曲をつくるというスタイルは初めてじゃないですかね。だから正直言うとちょっと最初は緊張しましたよ
渡部 そうですか。私はのほほんとやりました。
ばびー のほほんて(笑)
渡部 だって、世界観がどーなとか気にしなくていいもの(笑)
ばびー まあ確かに。そういう感じのゲームじゃないですからね。
ばびー 昔は渡部さんのディレクションの元、僕が効果音とかを制作するっていう立場にあったじゃないですか。 いざ逆になってみると難しいなーと。
渡部 あれやよね。 その視点で言うんならなんつーのかなー。 役者さんが監督になってみてビックリみたいな感じなのかな。
ばびー ああー確かにそれに近いかもしれないです。監督になって先輩俳優を使うという感じ
渡部 おいらどのゲームでも割と深い所突っ込むから、今回はほんと役者に徹するみたいな感じだったけど。 っておおげさな話でもないかー うはは。
旧作アレンジについて
渡部 今回はばびーからの指示で「FM音源中心で! 音数そんな増やしちゃいかんです!」みたいな話があったやん?
ばびー 特にオリジナル版(旧作)のアレンジBGMでは「いじりすぎず、だけどそのまんまではなく」というコンセプトでお願いしましたね。FMと音数制限をうまく使えるクリエイターって少ないんですよ。そのあたりのスキルも期待して渡部さんにお願いしました。
渡部 だからそういう意味じゃ、逆にやってて楽しかったなー。 「しもた音厚くなって来てる これじゃやばい」みたいな(笑)
ばびー オリジナル版は基本的にゲーム構成が全く同じなので、サウンドも離れすぎちゃまずいなという意識はありました。 だからアレンジも基本的にリズム追加+αくらいでお願いしたんですよね。
渡部 うんうん その辺は目論見通りなんじゃないの? 「昔の雰囲気じゃないと嫌だ」って人も多いと思うし。 もうデーター消しちゃったけど、バカスカアレンジしたバージョンもあったんだけどね。
ばびー 結果的にはナイスな踏みとどまり方だったと思います(笑)
渡部 なので、こう言うとあれだけどオリジナルに関しては、結構楽だったかな。 OPN系のFM(注1)の音色とか手が覚えてたからのう 勝手に音色が出来る!(笑)
(注1)OPN:FM音源チップの通称。OPNとは基本的にYM2203という音源チップのことを指す。
別のバブルンが出てきそう(笑)
ばびー アレンジマップのBGMは旧作アレンジよりもある程度自由にやっていただきましたが。
渡部 そうっすね。まあ基本はあんま変わりませんが(笑)
ばびー 方向性的に心がけた点とかありますか?
渡部 んー 2203が2151(注2)にグレードアップしたようなイメージ程度で。 あとはおきらくに(笑)
ばびー ある意味、古きよき「ゲームミュージック」を意識したという感じですか?
渡部 ああ、そこは最初にも言うたけど もうまんばびーのイメージに沿ってやってみたって感じすよ。
ばびー でも出来上がってみるとしっかり渡部サウンドになってるとこがまた(笑)
渡部 げー(笑)
ばびー なつかしゲームミュージック+渡部サウンドが今回の隠れたサウンドコンセプトですから。
渡部 ああでも、さっきおきらくとは言ったけど、やっぱ最初の面にくる奴はそれなりに意識したかなー。 何十回聴いても飽きないよーにしたつもりっす。
ばびー あの曲は最初セレクトBGMとしてあがってきたじゃないですか。 あれ聞いた瞬間にこのキャッチーさはメインテーマでしょう!って思ったんですよ。
渡部 あ、うん それ逆にこっちがびっくりしたわ 「え、ええんか?」みたいな(笑)
ばびー その次の曲の後半は80年代な感じがありますね。テクノポップ全盛のころのシンセ音色って感じで。
渡部 そだねー 昔のアイドルポップスをゲームにしました的な
ばびー ラスボスのBGMは最初は割りと旧作ぽい雰囲気で始まって、後半にドラマチックに展開していく感じがツボですねぇ。
渡部 んー どだろ あれでもかなり抑えてますよ(笑)ばびー もっといっちゃう予定だったんですか(笑)
渡部 でも本気でやったら 多分別のバブルンが出てきそう(笑)
ばびー あははは(爆笑)
渡部 本気って言ったらあれだけど、『そこそこドラマチックに』ぐらいにしないとこのゲームには合わないって思ったんよねー。 あんまりおいらが「こうです!」って提示すると一般の人がどん引きするからちょっとセーブして(笑)
(注2)2203、2151:FM音源チップの種類。正式名称をYM2203、YM2151という。YM2151の方が使えるチャンネル数や設定出来るパラメータが多いので多彩なサウンドを出すことが可能。
悩んでいたらもったいない
ばびー 今回の曲のなかで一番悩んだのってどれですか?
渡部 ないす
ばびー (笑)割とスルッと出てきた感じですか?
渡部 うん。おもしれー素材なのに悩んでたらもったいない。
ばびー いいコメントいただきました!(笑)
渡部 ああ、たださっきちらっと出たけど 最初この曲を1面にもってこーとして「あでー?」ってなった時が一瞬悩んだかなー。
ばびー そうですね。あそこの決断は僕もちょっと悩みました。ちなみに今回の曲で渡部さん的におすすめなのはどれですか?
渡部 どだろ やっぱあわあわ大作戦じゃないかなー。アレンジマップの最初のやつ。
ばびー あわあわ大作戦て妙なタイトルを(笑) でも確かにあれは今回のサウンドコンセプトを1曲で表しきっているという感じしますよ。
渡部 うはは(笑)聴き倒してやってください。
ばびー では最後になりますが Z-Filedをごらんの皆さんに何かメッセージを
渡部 えっと、今後ともよしなに!
ばびー あっさり!!
渡部恭久 (Yasuhisa Watanabe)
株式会社タイトーにて数々のゲームサウンドを手がけた後、フリーコンポーザーに転向。ゲームサウンドを中心として精力的に活動中。
(c)TAITO CORP.1986,2008
※Wii及びWii Wareは任天堂の登録商標です。