ZUNTATAクリエイターズ インタビュー:小塩広和氏

第2回

前回に引き続いて小塩広和氏のインタビューをお送りする。 今回は携帯電話版「ひぐらしのなく頃に」(Yahoo!ケータイ、iモードにて配信中)の話題を中心に携帯ゲームサウンド制作の実際などについて聞いた。

予想以上に3Dサウンドは効果的でした

● 携帯電話版「ひぐらしのなく頃に」についてお聞きしたいと思います。「ひぐらし」のサウンドを携帯電話で再現するにあたって苦労した点などがあれば聞かせてください。

そうですね。特に力を入れたのは効果音です。
このゲームではひぐらしの鳴き声のように効果音自体がストーリー上で重要な意味を持っていたり、また恐怖感の演出にも効果音は重要な役割を担っています。そういうわけで効果音はできるだけリアルな再現を心がけました。
しかし、ひぐらしの鳴き声はそのままでは携帯のスピーカーでは鳴らなかったんです。
携帯ゲームでは音源の仕様上、かなり限られた帯域の音しか鳴らないので、ひぐらしのような虫の鳴き声の再現は特に苦手なんですね。
ですので、思い切って効果音は携帯ゲーム向けに全部作り直すことにしました。通常では鳴らすことのできないひぐらしの鳴き声をちゃんと聞こえるように作り直すのは今回一番苦労した点かもしれないですね。どんな風に作り直したかは企業秘密です(笑) PCのオリジナル版をお持ちの方なら携帯版と聞き比べてみるのも面白いかもしれませんね。

● PCのオリジナル版はプレイされましたか?

もちろんです。社内で携帯版制作の話が出る前から個人的に注目していましたので。
最初プレイしたときはやっぱり怖かったです(笑)
鬼隠し編~暇潰し編はPC版だけではなくてドラマCDも聞いてみたんですが、そっちの方がゲームよりも怖かったですね。もう夢に出てくるぐらい(笑) 同時にサウンドの演出が全面に押し出されていることにも驚きました。
それが携帯版のサウンドデザインの根底になっていますね。

● 携帯電話版オリジナルの楽曲もありますが、これはどのようなコンセプトで制作しましたか?

鬼隠し編~暇潰し編まではあまり曲がメインに出てこないので、ストーリーを補佐するような感じで制作しました。
ただ、恐怖感の演出のために怖い部分以外の所は弾けた感じにして怖い部分とのギャップが出るように意識はしています。
暇潰し編で制作した大石さんの登場場面の曲は特に弾けた感じになっていますがいかがでしょうか?(笑)
解答編の目明かし編以降は逆に登場人物の心情の変化がストーリーの肝となっていて、その心情に合わせた曲がだんだんと大きな役割を占めるようになっています。
なので、そこではピンポイントで場面に合わせたような曲作りを行っています。

携帯アプリ版「ひぐらしのなく頃に」
試聴
BGM:「 DIVE
BGM:「 大石蔵人登場
効果音:「 ひぐらしの鳴き声(3Dサウンド再現版)

● iモード版は3Dサウンドに対応していますね。

DoCoMoでは多くの機種が標準で3Dサウンド機能を搭載しています。
「ひぐらし」では先程もお話ししたとおりサウンドが重要な役割を持っていますので、3Dサウンドにしたらもっと効果的にもっとリアルに「ひぐらし」の世界を演出できるんじゃないかと思い、制作に挑戦してみました。
PC版は当然3Dサウンドを使っていないので3Dの演出をどのように使ったら良いか手探り状態でした。でも実際やってみたらひぐらしの鳴き声などは、今までよりも広がりとダイナミックな動きを表現することができて、私の予想以上に3Dサウンドは効果的でしたね。
ちょうど原作者の竜騎士07さんがDoCoMoの携帯をお持ちだったので3Dサウンド版の「ひぐらし」を聞いて頂いたんですが、とても好意的な評価をいただいて僕としてはホッとしています(笑)
そういうわけで3Dサウンド版はiモード版だけのオリジナルになっています。是非DoCoMoユーザーの方はイヤホンでプレイしてみて下さい!


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