スーパースィープとのコラボレーション
ばびー(以下「ば」)2007年からスーパースィープさんと組んでアルバムを何枚かリリースしてきたわけだけど・・・・
内田(以下「内」)ちょっと前くらいから社外のレーベルと組んでなんか新しいことやってみたいねっていう話はしてたんだよね。アルファさんとかポニーキャニオンさんと組んでやってたのが大体10年、ZUNTATAレコードも10年くらいやってきたので、ここらでまた社外と組んでみるのもいいねって。
小塩(以下「小」)そこにちょうどいいタイミングでスーパースィープさんからオファーがあったんですよね。
ば他にもいくつかオファーはあったんだけど、やっぱり仕事するならゲームミュージックが好きというか熱意があるとことやりたかったから。
小スーパースィープさんの担当者とは以前から交流もあったし、何よりもゲームミュージックに「愛」がありますからねー。
内今って昔ほどゲームミュージックってものが盛り上がっているわけでもないから、熱意がある者同士でやっていかないと、そのパワー不足がユーザーに伝わっちゃうよね。作るほうとしても勢いをつけてやってかないと。
小そのスーパースィープさんと組んでリリースした第1弾が「アルカノイドDS オーディオプラネット」なわけですが。
ば細江さんも参加してもらってね。
小第1弾というのもありますが、自分としてはかなり思い入れが深いですね。ぜひ皆様には買っていただきたいと・・・なんですかこの沈黙は(笑)
大隅(以下「大」)いや、これ別にインタビューじゃなくて座談会なんだからそんなにかしこまらなくても(笑)
ばまあ2007年の年末に出た3枚の中ではアルカノイドが唯一の新作だからねー。他の2タイトルは監修するという立場で・・・あ、そういえば監修と言えば結構大変だったじゃない。
内え? なんだっけ。
ばナイスト&サイバリオンBOXの校正作業がさ、大変だったでしょ。
内あー、あれ! 死ぬかと思った(一同笑) あれってパッケージだけじゃなくて、PDFの資料集も収録されてたじゃない? あれはもうムック本を作るようなレベルで。普通に紙に印刷したらすごいページ数になるよ。
大ああなるほど。印刷されてる部分だけじゃなくてそっちも校正しなきゃいけなかったわけですね。
内当時のスタッフの座談会をエンターブレインさんで収録したものや、昔の設定資料を掘り返したものとか、もうとにかく情報量がすごくて。その中でもサイバリオンのエンディング集の文章をチェックするのが大変で。
ばああ、あれってマルチストーリーだからエンディングいっぱいあるんだよね。
内誤植とかあってもそれが元々のゲームの表示から間違っていたりもするので、そういうのは裏をとってケースバイケースで修正したり修正しなかったりした。
ば校正は昔から内田氏の担当だったからね。ZUNTATAレコードの中期くらいから必ず見てもらうような流れになってた。
内「みんなミス多すぎだよ!」とか叫んでた頃もあったな(笑)
“電れぼ”
ば次は「電れぼ」の話でも。
小わー、来た! 電れぼ(笑)
大この企画のそもそものきっかけって何でしたっけ? 電車でGO!10周年記念合わせ?
ば実を言うと電車でGO!が10周年っていうのはこの企画が立ち上がってから気がついたんだよね(笑)
内着メロとかiTunes® Storeとかで配信してるZUNTATAの曲のダウンロードランキング1位はいつも電GOなんだよ。
小ダラとかレイよりも?
内そう。で、「電車でGO!」っていうタイトルの持つ力は未だに大きいなーって思って、久々に新しい電GOソングでも作ってみるか!という感じ。
ば最初はシングル的なものを考えてたんだけど、昔のバージョンが入ったCDが欲しいという問い合わせも結構良く入ってきてて、じゃあ昔の曲も入れた新曲+ベストアルバムにしよっかって話になった。
内以前リリースしたCDはシングルCD(8cm)だったからもうどこ行っても手に入らないんだよね。在庫も完全に売り切れ状態で。
小実際に曲作る方としてはどこまでやっていいのかなーって悩みましたね。
内ZUNTATAは今まであまりキャラっぽいアルバムって出してなかったから。
小ここまでやっていいのか、でもやっちゃいたい、みたいな(笑)
内どうせやるなら振り切っちゃおうぜ!みたいな。何言われてもいいからやっちゃおう!ていう勢いがあった。
小ああ、そういうのはありましたね(笑)
ばこのアルバムは出す前から賛否両論があるだろうっていうことは分かりすぎるくらいに分かってたから。それでも新しいことやりたかった。ZUNTATAってもっと振れ幅はデカいんだぞってことを主張したかったんだよね。
小それはありましたね。
内もちろんこういうのばかりになったらいくらでも批判してもらって構わないんだけど、そういうわけじゃないから。
大でもキャラクター設定とかをみんなで考えたりするのは面白かったですよね。
小プロフィールとかまで考えて(笑) 別にどっかのゲームに使われるわけでもないのに(笑)
ばこんなとこにもZUNTATAの凝り性な一面が出てしまうという(笑)
内キャラ設定に始まってPV編集とか告知サイト制作まで全部中でやったし。
大最たるとこですね。中でできることは全部やりましたみたいな(笑)
ば今Z-Filedで公開している電れぼのクリスマス壁紙も大隅君が描いたものなので、まさに自給自足? 七転八倒?(笑)
小絵が描けるというスキルを持つ人は今までZUNTATAにはあまりいなかったからかなり重要かと。
ばそういや小塩はだいぶ曲にボツを出されて大変そうだったけど。
小そうですよ! トータルで10曲以上は作りました。
ばこのスタジオで散々検討したよね。
大内田さんたち3人がスタジオに入っていくと、「あ、こりゃ3時間くらい出てこないな」って(一同爆笑)
小最終的には原点回帰っていうか、最初の頃に作ったフレーズでいくことになったんですよね。
ばそうなんだけど、そのままではメロを詰め込み過ぎてて
内今の倍くらい歌詞があったんだよな(笑)
ば結局なんでこのプロジェクトは1年もかかったかというと、単に小塩の曲が出来なかったからということに尽きる(笑) まあどんなのでも良ければすぐに出せたんだけど。
内(ジャケットイラストの)かんざきさんに「あれはどうなったのかと思ってましたよー」とか言われたりした(笑)
大最初の予定ではアルカノイドとかと一緒に年末に出す予定でしたから。
ばまあ粘った甲斐はあったかなと思うよ。20周年のいい記念にはなったんじゃないかなあ。ただのベストアルバム出すよりは意味があったと思う。